セリシンは、繭糸の外側にあるもう一つの絹の成分です。
セリシンはフィブロインを保護すると同時に、繭の中のさなぎを外からの刺激や外敵から守って住みかを安全に快適にする働きをしています。繭は蚕のシェルターなのです。
蚕が作る「繭」。その中で幼虫がさなぎになり、さらに成虫へと育っていきます。
2週間程度は休眠状態で過ごすにしても、その間、呼吸もすれば、排泄物も出すはずです。
「繭」はその汚物を吸い取って放出し、命を守る空間を清潔にします。
さらに外からは新鮮な空気を取り込みますが、同時に湿気や乾燥や汚物を寄せ付けないフィルターの役目もしています。
内からの汚れを外に出し、外から必要なものを取り込み、外の良くないものは入れないといった驚くべき神秘的な機能が繭にはあります。 |